先週末、京都駅ビルのえき美術館で開催中の「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」に行ってまいりました。
そいえば、今年初展覧会だったそうな。ワオ。
何を隠そう、西洋絵画の中でも特に大好きなラファエロ前派。
ロマンティックとミステリアスの間を彷徨う感じとか・・・静謐な絵の空気とか・・・かと思えばとてもヒステリックな画面とか・・・うっとり。
童話や物語を描いた絵もあってとても楽しい。
今回来てた作家陣にほくほく。
ウィリアム・モリスはじめミレイやハント、ロセッティ・・・そしてウォーターハウスに最近個人的ブームなバーン=ジョーンズ!
ラファエロ前派の絵をこんなにまとめて眺めたのは初めて。
勝手な感想だけれど、描かれている女性に赤毛が多いような。
私は赤毛ってすごく好きだけど、『赤毛のアン』とか読むと赤毛ってあまり女の子の憧れって印象はなかったので。
赤毛ってとてもドラマティックな雰囲気を持ってるなぁと思いながら鑑賞。
赤毛と言えば、今回来てたフレデリック・サンズの「ベレニケ」と「ワルキューレ」。
どちらも赤毛が印象的な絵。
特に「ベレニケ」は髪がメインの絵(髪座の由来になったお話し)なので、ため息出るくらいに綺麗な髪の描写。
丁度最近読んでた『琥珀捕り』に紹介されてたベレニケの物語。
この絵を見たらもう、「ベレニケは赤毛!絶対赤毛!!」と刷り込まれてしまった。
それくらい髪が美しい絵です。
「ベレニケ」がしっとり赤毛とすれば、「ワルキューレ」は激しい赤毛。
風に舞い上がる褐色の髪。
足の下にはされこうべ。
ワルキューレの赤とカラスの黒がはっとなるくらいドラマティック!
「ワルキューレも赤毛!絶対赤毛!!」の刷り込み、完了。
大本命はバーン=ジョーンズ。
美しい!
彼の描く感情のなさそうで、でも実はじっくりと滲み出てるって感じの女性が好き。
今回来てた絵では「モーガン・ル・フェイ」。
アーサー王伝説で悪意ある存在として描かれるモーガン・ル・フェイ。
黒魔術の使い手で、絵の中でも毒草を摘んでいる情景が描かれているのにこの静けさ。
静かな群青で、ストイックな印象。
会場で眺めてたときはまさかそんな人物だとは夢にも思わず・・・。
(てっきりなんかの神話の世界の人かと)
帰って図録読んでびっくりでした。
悪事って実は静かに静かに準備され、忍び寄ってやってくるものなのかも知らん・・・。
相対してどこまでも透明な印象の「ティベス」!
剣を持つ手とまっすぐに前を見据える目。
容赦がなさそう。
ほとんど色のない絵だからこそ、全体に張り詰める緊張感。
たまらんなぁ。
バーン=ジョーンズは絵だけじゃなくて、タピストリーや大きな刺繍の壁掛けも。
これまた最近読んだ『貴婦人と一角獣』のおかげで大変興味深く鑑賞。
いいなぁ。こんなの部屋に飾りたい。
藍色と花の模様が素敵・・・・。
会場終盤に飾られていたウォーターハウス!ここで出るか!
やっぱ大好きだ・・・ウォーターハウス。
赤毛もいいけどやっぱりブルネットも大好きと思いなおしたウォーターハウスの描く黒髪。
「南の国のマリアナ」は髪の黒と衣装の赤が印象的。
どこか憂いを帯びた顔だなぁと思って、帰って図録読んでたらマリアナは婚約者に捨てられた女だそうな。
大きな鏡に写った自分をぼんやりと眺めている絵なのですが、「これが彼に夜も朝も賞賛された顔なのか」、と嘆く場面らしい。
ああ・・・なんか妙に共感するなぁと思ったら、そのタイプの女か・・・・なるほどな。
このたびの展覧会も大変幸せな時間でした。
だから図録も買ってしまいましたが、決して気に入った絵に限ってポストカードないのかえき美術館め、ではありませんよ。
いつもいつも、私の気に入ったものはポストカードしないなんてえき美術館め、ではないですよ決して!
今年は滋賀近美にもヨーロッパ絵画の展覧会もあるそうで、ほくほく。
楽しみだ。