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今更の更新ですが。

この前の金曜日、うえさんと京都国立博物館の『THE ハプスブルク』に行って来ました。
やっとやっと、です。

ウィーンに行ったときも美術史美術館に行ったときは、所狭しに名画、名画、名画で私の生気は吸われまくりでふらっふらしたのですが、
今回はホームの試合なので余裕を持って鑑賞鑑賞。

王侯貴族の肖像画も「絶対最低3割り増しで美化だろうな・・・」と想像して観るのが楽しくて好きだけれど、濃ゆさとドラマティックさではやっぱ宗教モチーフや神話、ギリシャ悲劇には敵わん。


個々の感想は長いから追記!

超長い。
しかも主にユディットの首狩り感想しか書いてない(笑)

追記ー。


パオロ・フィアミンゴの『黄金時代の愛』の前で、私とうえさんは思わず苦笑い。
みなさん、やんややんやしすぎだと思います。
確かに黄金時代すぎる愛の前では、現代日本人な私は絶句して後黄金時代の愛を紡いでいらっしゃる合体数を数えるしかできませんでした。7組でした。

失われた時代だからこそ黄金に輝くわけで、そのあまりの今は無き時代の美しさ故にこの絵のポストカードを買ってしまった私は、ふと出来心でティントレットの『オンファレの寝台からファウヌスを追い出すヘラクレス』と見開きで並べてコレクションしてしまいました。
なんか異様に肌色の多いページになってしまいました・・・。
出来心です。濃ゆい。


でもヨーロッパ有数の名家、ハプスブルク。
彼らの至高の作品群はこんなものじゃ留まりません。
これらは全て展覧会の序盤に登場するのですよ(最初ッからフルスロットルすぎる)

もうこれに続いてサロメだのユディット(しかも作家違いで2枚)だのの生首ブツ切りの娘二人は出てくるわ、相変わらず聖フランチェスコはうっとりするほどのイッちゃってる感ごんごんだし、今回の展示のTHE BEST OF 男前はハプスブルクのみなさん差し置いてまさかのルカ・ジョルダーノの『物乞い』だったよ!


聖フランチェスコは私の行く展覧会には必ずと言っていいほど一枚はあらわれ、恍惚とした表情を見せ付けてくれる。
おかげで私は修道士筆頭、坊主好きになってしまった。
(でもサヴォナローラはだめ。こわすぎ)

『物乞い』は陰影の強い絵で、暗く絶望感漂いまくりーの、でも生命力はありまくりーのな絵でした。
彼のみすぼらしい成りは、むしろもうみすぼらしければみすぼらしい程彼を崇高にしてしまう装置に思えて仕方ありません。
無表情にも見える顔は、いっそ哲学的ですらあります。

そんな男に惹かれる私は確実に、才能はあるけど幸せも名誉もチャンスも金もない作家志望の男の理解者は私だけと一途にせっせと世話を焼く女のタイプだろうと思います。
こうゆうタイプの女は基本、幸せになれたためしが無いのでは、と感じるため、自分の将来をいささか危惧してしまいます。
つまり男を見る目がないのでしょうか。
駄目な男が好きなのでしょうか(前科有)

そんな駄目な男に付き合ってばかりではいけません!
世は肉食系女子に傾いておるのです!


肉食系(多分)のみなさん。↓

肉食系といえば、男を喰って喰って喰いまくりなのか。
喰うだけでは飽き足らず首を狩るのか。


クラナッハの『洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ』とヴェロネーゼの『ホロフェルネスの首を持つユディット』はどっちの生首もかなりのぐったり感。
クラナッハの方の、ヨハネ(首)の方がよりぐったりどころか半目しかも首の切り口が超鮮やかリアルで、ヨハネ(首)に同情心いっぱいです。

小娘(王女だけど)がちょっと踊ったご褒美にあっさり首狩られるなんてヨハネ(首)もたまったもんじゃないだろう。

それに比べてホロフェルネス(首)は同じ首狩られるにしても、美人の未亡人としっぽりやんややんやできた後に狩られてるんだから、まだましか。
でも女の腕でゴリゴリ切るってゆうより、恐らく切れ味の悪い金属で意識のある中ゴリゴリ、ブツ切られたのだろうから、やっぱホロフェルネス(首)にも大いに同情。
でも元々町、征服しに来たんだし、戦中にゆるんで敵方の未亡人の甘言に乗っちゃったのだから自業自得か。そうか。
でもやっぱ首狩るのはちょっとな・・・。

そんな首ブツ切り絵のポストカードもちゃっかり買って、やっぱ2枚を見開きページに並べてみる。
これはこれ以上の配置はないだろう。

でも同じユディットでも私はヨーハン・リスのユディットの方が、「狩ったる!」という感じがしててリアルで好きなのですが。
2枚の絵の比較はこちら!私の大好きな中野さんの対談も)

ヴェロネーゼの方はユディットの美貌というか、ヒロイン像がメインな感じなので、絵を見ても「こんな細腕で大人しそうな女が本当に軍人大男しかも一軍の大将の首が狩れるのか」と思ってしまうのです。

ヨーハン・リスのユディットは美貌の未亡人(シャレ?)像よりも首狩りメインなので、とっても臨場感あり。
ぶっとい筋骨隆々な腕でホロフェルネスの首を「ぐわし!」と掴んでる。
振り返ったその顔は街の存亡を背負った使命を帯びてる表情。
ホロフェルネス(胴体)の血が吹き出る傷口とは対照的な冷たい表情にゾクリとしてしまいます。
女はこんなに残酷になれるものなのですね。
そらユディットに掴まれたホロフェルネス(首)も彼女の前では白目も剥いてしまうというものです。

彼女らしかいないだろう部屋で振り返ったユディットの目線の先にいる私は、不幸にもまさに首狩りの場面に遭遇してしまったような感覚を覚えてしまう。
きっとこのときの彼女は、居合わせてしまった邪魔者の首すら眉ひとつ動かさずに狩ってしまうに違いない。
ユディットと目を合わせてしまうと、もう、蛇に睨まれた蛙状態で壮絶な殺人の共犯者として口を噤むしかないだろう。ぞくり。
てか、こわすぎ。

またこの絵の怖いとこは、ユディットの顔のすぐ横に、首狩りを手伝った侍女の顔が暗く潜むように描かれているところ。
ぱっと見では気がつかないのですよ!

ユディット→侍女→ホロフェルネス(首)と3つ顔が並んでいるのですが、どんどん生気が無くなって、最後は生首が白目剥いているのですよ!ヒィェー!

なんつー構図だ!
計算しつくされた画面の構図です。
しかもこれ、ホロフェルネス(首)の顔の白目あたりに、彼の腕がこれまた絶妙のバランスと位置で描かれているため、嫌でも絶賛血しぶき吹きまくり中の切り口に目線が誘導されてしまう。

その切り口がまたまた超リアル。
骨は当たり前、肉の脂肪の白さまでバッチリです。
もちろん、シーツに血も抜かりなく飛んでおります。

ヨーハン・リス・・・凄すぎる。
(中野さんの対談読んで思ったけど、女子にはヨーハンのユディットの方が好きな人が多いのではないだろうか、たぶん。根拠なし)


閑話休題。
首の話ばっかしてるのもどうかと思うので。

ハプスブルクと言えば、すげえ女性の多い一族かなとも思うのですが。
やっぱその中でも有名なのはマリア・テレジアとシシィだろう。
(マリー・アントワネットは自業自得感がかなりあるので私はそこまで好きではない)

ハプス家一の美女と言えばシシィだけど、私の好みはマリア・テレジア。
勝気そうでいかにも「王族!」と言った高慢さがドMで従僕気質な私にはたまらん。
シシィは王族ではなく、もともと貴族の女性らしくない気ままな公女だったし。

今回の展覧会のマリア・テレジアってアンドレアス・メラーの『11歳の女帝マリア・テレジア』が来てるのですけれども。

これ11歳っすよ、11歳!!

肖像画だからもちろん実物より最低3割り増しで美化だし、構図はフツーなんだけども。
やっぱ顔つきが生まれ就いての支配者な顔だと思うのです。
すげえ。


シシィこと皇妃エリザベートは、女性らしいやわらかさのある絵。
私は最初この絵を見たとき、綺麗だけど淋しそうな顔だなと思ったのですが。
なんだろう、覇気の違い?

でも案外、マリア・テレジアよりもシシィみたいな感じの女とだけは男の取り合いはしたくないな、と思うのです。
絶対持ってかれるに決まってる。
(実際、旦那フランツ・ヨーゼフ一世は本来シシィの姉のヘレーネと結婚するはずだったのに)


そんなこんなで、ハプス展の感想はユディット・サロメ然り、テレジア・シシィ然り、女は怖いなということで。

見ごたえ十分でした。
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無題
ゲイっぽい坊主の絵に囲まれた先輩がとても幸せそうだったので、僕はとても満足です(嬉)
うえさん 2010/02/08(Mon)23:09:01 編集
無題
☆うえさん☆

ゲイっぽいだけじゃなくって、恍惚としていなければいけないのですよ君。
むしろ神好き過ぎて聖痕浮かびまくりのレベルまでいかなければいけないのですよ。
でも坊主はよいよなぁ。
三保 2010/02/10(Wed)21:55:30 編集
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